【読書記録】老いる勇気⑦ 〜「できない」という勇気をもつ〜
本章の中で、語られることの中心は自分でした。
身内の介護をする上、もしくは子育てをしていく上で大切なのが
まずは自分が幸福であること
そう、岸見さんは書いています。
どれだけ介護をしたり、子育てをして家族に尽くしていっても親や子どもを幸せにすることはできません。
ここは、課題の分離がテーマになっているんだろうなと感じました。
介護をすることで親に貢献することはできます。また、子育てをしていくことで子どもに貢献することはできます。
ですが、本章の中にも書かれていたことを引用させてもらうと
人は誰かを幸福にしたり、誰かに幸福にしてもらったりすることはできない。家族の幸福を願うなら、まずは自分が幸福であること
まずは自分が幸福でない限り、他の人に貢献していくことはできません。自分にできることで他者に貢献していく。そしてできないことはできないと受け入れていく。そこで助け合っていけばいいんじゃないのかなと本章を読んでいて思いました。
介護していく中でも子育てしていく中でもそれは一緒なのかなとも思いました。自分のできる範囲のことを行い、できないことは助け合う。
子育てのことで言えば、親だけではできないことを学校や地域や塾などが力を出し合って助け合っていく関係が大切なんだろうなと思いました。だからだれかだけが責任を持つわけではなく、みんながみんなお互いに責任を持ちながら支えていくのが大切なんだろうなとも思いました。
アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩み」と言っています。それを受けて、岸見さんは
人間関係の中でしか喜びは生まれない
と書いています。他者に貢献している自分を受け入れることで喜びが生まれます。自分ができること・できないことを受け入れてできないことには「できない」と言える勇気をもつことが人間関係の中でも必要なんだろうなとも思います。
できないことは恥ではありません。
できないことを受け入れ、助け合って生きていく。
今だからこそ、そういうことが必要なんじゃないかなと思いました。