【読書記録】生きる技法⑩ ~自己愛では自分は大切にはできない〜
前回のおさらい
自己愛とは、自己嫌悪を埋め合わせるために偽装することである
自己愛はいつも不安と隣り合わせである
自分の不安を抑え込むための偽装に追い立てられている人間は、他人を踏みにじろうと、他人がどうなっていようと、気にすることなどできなくなるのです。
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本日の読書記録(本文引用)
「命題3-4 偽装に奉仕するための資源と時間の獲得に奔走するのが利己心である」
利己心は、自愛に反します。なぜならこのように近視眼的な利益(目先の利益)に翻弄されていれば、自分が生きていくために何が必要かを理にかなった形で判断することが不可能になるからです。自分を大切に思ってくれる人を大切にし、自分を餌食にしようとしている人から離れることが、自立のために不可欠です。しかし近視眼的利益に翻弄されていると、簡単に罠にかかってしまいます。
相手に好かれようと思って行動すると、相手にいいように利用されてしまうようになり、逆に利己的に自分の都合を押し付けると泥沼のいさかいが始まってしまいます。自己愛による限り、どこをどうやっても罠になってしまいます。これでは自分を大切にすること。つまり自愛することはできません。
自己愛者のもう一つの戦略は、不安を紛らわせるために、自分を補填してくれる人を確保することです。容姿の美しさ、優しさ、聡明さ、資産、学歴、地位、能力、強さ、身分などなんでもいいのですが、自分にないものを持っている人に狙いを定め、その人の美点を取り込んで、自分の一部としてしまおうという浅ましい欲望を抱きます。この他人への欲望が執着です。
本日の学び
自己嫌悪から生じた自己愛を完璧なものに近づけていくために、自分を偽装しているのが目先の利益だということは面白いと思った。これは以前の読書記録の中にもあった表面的な平穏さは毒である
【読書記録】生きる技法⑤ ~表面的な平穏さは、毒である~ - 教育で明日をもっとBON!!ブログ
にもつながってくると思う。その場しのぎの対応を取るとあとあとそれが悪い方向に響いてくる。こういう体験は僕も何度もした。
また、自己愛者の戦略として、他人の美点を取り込んで、自分の一部にしてしまうというのもまた興味深い。自分にはないものを他人のものを利用して補填する。この文章を読んで、ドラえもんのジャイアンの名言「お前のものはオレのもの。オレのものはオレのもの」を思い出したのは、僕だけだろうか。
次回の読書記録はこちらからお読みください。
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